米国展示会レポート(ペット業界)


■ 米国の最新ペット業界市場レポート Super Zoo

(2018年6月26日‐28日、ラスベガス、米国)

毎年、米国ラスベガスで開催される、世界最大級のペット関連見本市「Super Zoo(スーパーズー)」に、商談を兼ね、行ってきました。

今年は、6月25日から28日の4日間にわたり、ラスベガスのMandalay Bay(マンダレイ・ベイ)で開催され、約1万人のバイヤー(うち海外からの来場者数は約1,040人)が世界中から訪れ、1,200社の出展企業が参加し、75の教育セミナーやワークショップが行われました。

会場のMandalay Bay Convention Center(マンダレイ・ベイ コンベンションセンター)は、世界最大規模の展示会複合施設であり、その施設の広さに圧倒されました。それ以上に、各展示ブース前の通路では身動きが取れなくなってしまうほどの人と犬の多さに、これまた圧倒されました。

▲来場者と出展企業が活発に商談を行う場面を多く見かけました。

 
▲健康志向の高い多種類のペットフード、サプリメント、トリーツ(おやつ)の企業も数百社以上出展。世界的に有名なペットフードメーカーをはじめ、玩具や用品のメーカー、自動車メーカー、アウトドア用品メーカーなどの出展も見られました。   ▲マヌカハニーを使ったペット用ケア用品(シャンプー、スプレー、肉球クリームなど)



▲会場内で目を引くおしゃれなワンチャンたち(SuperZoo2018-Photo Galleryより)。

1. Super Zoo(スーパーズー)とは?

今や世界最大級規模に成長したスーパーズーの幕開けは、1950年までさかのぼり、イベント名や開催場所を変遷しながら約70年の歴史をもつトレードショーです。

ペット先進国であるアメリカでは、ペットに関する展示会が数多く開催されています。そのなかでもスーパーズーは2013年以来、展示会業界のアカデミー賞とも称される「Gold 100 Awards&Summit」の“Trade Show Executive's Top-100 List”にランクインするほど、全米有数の展示会の1つに認められています。

2. 米国最新ペット製品事情

1)サプリメント、健康食品の新素材 米国で健康志向の人たちの間で関心が高まっているヘンプオイルやCBD(Cannabidiol: カンナビジオール、大麻草から抽出される物質)の人気は、ペットサプリメントやペットフードの最新動向にも色濃く反映されており、多くの新製品として紹介されていました。主にペットの不安症、関節炎、ひきつけなどの発作に役立つと注目されています。


2)人気が高まっている健康分野
ペットの長寿化からか、循環器や認知力、デンタルケア(主に歯肉炎)の分野の新製品が目立っていました。また、抗ストレス(リラックス作用のあるもの)製品のほか、シニア犬の歩行支援・普段の散歩やアウトドアなど多様なシーンで使われる犬用の靴(ブーツ)や靴下のバリエーションも増えています。


▲ココナッツオイルにヘンプオイルを含めた製品、CBDオイル(液体)など、多くのメーカーで新製品をそろえています。
 
▲woodrowwear社のシニア犬向け歩行 サポート靴下。   ▲肉球を守る犬用のゴム製靴下は、耐水性素材を採用した使い捨てタイプ。
 
▲抗ストレス製品は、サプリメントタイプの ほかに、香りに関する製品も多くみられました。   ▲液体やゼリー状のサプリメントも多数紹介されています。


3)ペット関連のテクノロジー(Pet-Tech: ペットテック)
スマートホンで操作できる画期的なペットカメラや外出先からでもコミュニケーションをとれる自動給餌器など、留守中のペットを見守るIoT(Internet of Things)の発展がうかがえるサービスも紹介されていました。

▲手のひらに乗る大きさの、ロボット型のホームセキュリティーカメラ「appbot Riley」。
(写真はappbot Rileyホームページより)


▲ビデオ機能を搭載した自動給餌器「Petfull」。スマホがあれば外出先でも餌を与えられる。 ライブカメラでモニタリング、写真や動画の撮影も出来る。(写真はPetfullホームページより)


4)ホールフード(自然食品)、オーガニックなどの潮流 ペット保有者自身だけでなく、ペットの健康に気を遣いオーガニック食品を選ぶ傾向が強いミレニアル世代が増えているためか、価格やブランドに左右されない品質へのこだわりがうかがえました。非遺伝子組み換え、grain-free(グレインフリー・穀物不使用)、有機栽培といった原料素材への意識の高さのほか、BPAフリーなど化学物質を使わない給餌皿やおもちゃも目立っていました。また、「made in USA」と国産をアプローチする点も印象的でした。

3. 終わりに

今の、またこれからの米国ペット業界で何が流行していくのか、また日本でもヒットしそうな最新製品に出会えた展示会でした。

とくに今年は、原材料や環境問題へ配慮した製品トレンドのほか、ペット用ウェアラブルデバイスといった最新テクノロジーに触れる機会が多くありました。新製品コーナーでは、認知機能やストレス対策といった「ペットの長寿化」「ペットの家族化」を意識したサプリメントやグッズなど、ペットと飼い主のニーズにマッチングした製品も目立っていました。

これらの最新動向・製品は、また随時メールマガジンや機関誌でご紹介していきます!どうぞ、お楽しみに。




お客さまの声
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    2024/2/7

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