筋肉痛があるときに筋トレしてもいいの?効果的な対処法や予防法を徹底解説

筋トレを始めたばかりの方や、久しぶりに激しい運動をすると感じる“筋肉痛”。この痛みがあるときにトレーニングを続けていいのか、迷う方は多いのではないでしょうか。
本記事では、筋肉痛が起こるメカニズムから、痛みがあるときの対処法・予防法、そしてよくある疑問について徹底的に解説します。適切な知識を持って、安全かつ効果的に筋トレを継続しましょう。
筋肉痛はどうして起こる?その仕組みとメカニズムは

筋肉痛が発生する仕組みを理解することは、痛みを軽減するポイントを把握するうえで重要です。ここでは筋肉痛の原因やメカニズムを紐解きます。
筋肉痛は、トレーニングや普段使わない筋肉を動かすことで筋繊維に微細な損傷が起き、修復時に炎症を伴うため生じると考えられています。特に普段行わない強度の高い運動や、筋肉を伸ばしながら負荷をかける動作では、筋肉痛が出やすい傾向があります。
痛みが現れるまでの時間や感じ方は個人差が大きく、運動レベルによってはすぐに感じる場合と、1〜2日後に強く出る場合があります。筋肉痛そのものは回復過程のサインですが、痛みが強い状態での無理なトレーニングは、逆に回復を遅らせることになりかねません。
2種類の筋肉痛:即発性と遅発性
筋肉痛には運動直後に起こる即発性筋肉痛と、数時間から数日後に生じる遅発性筋肉痛があります。即発性は酸素不足や乳酸の生成による影響が大きい一方、遅発性は筋線維の修復過程で起こる炎症が原因とされています。
即発性筋肉痛は、一時的に痛むケースが多く比較的治りやすい傾向にありますが、無理をして運動を続けると悪化する可能性もあります。遅発性筋肉痛は、2〜3日後にピークが来ることが多いため、予期せぬタイミングで強い痛みが出ることもあります。
どちらの筋肉痛も、筋肉が修復される過程で生じる自然な反応です。痛みが出やすい運動のパターンを把握し、適切な対処をすることがトレーニングの質を高めるうえで重要と言えるでしょう。
筋肉痛と年齢の関係は?
年齢が高くなると筋肉痛が遅れてやってくる、というイメージを持つ方もいますが、実際には年齢よりも運動の強度や普段の生活習慣の方が大きく影響します。若い人でも長いブランクを経てハードな運動をすると、翌日以降に強い筋肉痛を感じることがあります。
年齢が直接的な要因になるのは、筋肉量や回復力が落ちている場合が多いという程度で、必ずしも加齢が筋肉痛の原因になるわけではありません。定期的に適度な運動を行うことで、回復力を保ち、筋肉痛を最小限に抑えることができます。
筋肉痛があるときに筋トレを控えるべき理由

筋肉痛の状態でトレーニングを続けると、思わぬデメリットが生じる可能性があります。ここでは控えたほうがよい主な理由を見ていきましょう。
筋肉痛がある状態というのは、筋肉が修復途中で負荷に対して敏感になっているサインでもあります。ここで無理に同じ部位へ強い刺激を与えると、修復の妨げとなり、さらなる痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
超回復を妨げるリスク
筋肉はトレーニングで傷ついた筋繊維が修復される過程で強くなります。これを超回復と呼び、一般的に筋肉の部位によって24〜72時間程度の休息が必要だといわれています。
筋肉痛がある段階で無理をすると、十分な超回復が得られず筋肉の成長が阻害されてしまいます。結果として、思ったほど高い効果が得られないばかりか、慢性的な疲労につながることもあります。
効率よく筋力をアップしたいのであれば、筋肉痛がある日には無理をせず、しっかり休むか他の部位をトレーニングする分割法などを取り入れるのがおすすめです。
ケガやオーバーワークの原因になる
筋肉痛の痛みを無視して筋トレを続けると、フォームが安定せず、関節や周辺の筋肉に過剰な負担をかけることになります。その結果、思わぬケガにつながるリスクが高まります。
特に筋肉痛が強いときは、その部位をかばう動作が多くなるため、負荷がかかる場所が変わり、筋肉同士のバランスが崩れがちです。長期的に続くと極端なオーバーワークの原因になる恐れもあります。
こうしたリスクを避けるためには、痛みの程度を見極め、必要に応じて休養や軽度のアクティブレストを取り入れることが重要と言えるでしょう。
筋肉痛のときでも行えるトレーニングのコツ

痛みがあっても、まったく運動をしないのはもったいない場合もあります。体を動かす際のコツを押さえて、安全かつ効率的に筋トレを継続しましょう。
筋肉痛とはいっても、軽い動作であれば血行を促進し、回復を早める効果を期待できます。ただし、痛みが強い部位に無理な負荷を与えるのは逆効果となるので注意が必要です。
軽めの負荷で筋肉を刺激する
筋肉痛が残っているときには、普段の重量や回数を減らして、軽めの刺激に留める方法がおすすめです。例えば、ダンベルの重さをいつもの半分にしたり、レップ数を少なめに設定するなどの工夫が挙げられます。
こうした軽めの負荷は血流促進に役立つため、痛みの軽減や回復を手助けする場合があります。無理をして同じ強度のトレーニングを行うよりも、軽めの負荷で筋肉に適度な刺激を与えるほうが安全で効果的です。
実際に動いてみて痛みや違和感が強いようであれば、すぐに中断し、ストレッチやマッサージなどのケアを優先しましょう。
筋肉痛のある部位を避けてトレーニング
部分的に筋肉痛が残っている場合、その部位を避けて別の部分を鍛えるという分割法が有効です。例えば、肩や腕が痛むなら下半身のトレーニングをメインに行うなど、トレーニング箇所をローテーションしていきます。
この方法をうまく取り入れると、休養が必要な筋肉をしっかり休ませつつ、他の部位は着実に刺激を与え続けられます。結果的に全身を効率よく鍛えることにつながるでしょう。
同じ部位を毎日ハードに追い込むよりも、回復状態を見極めながら複数日のスケジュールを組むほうが、ケガの予防とパフォーマンス維持の両面でメリットがあります。
有酸素運動やアクティブレストの活用
筋肉痛が気になるときに、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。血行が良くなることで老廃物の排出が促され、筋肉痛が和らぐことがあります。
アクティブレストとは、完全に休むのではなく軽い運動をすることで疲労回復を図る手法です。体を動かすことで筋肉に適度な刺激を与え、硬くなった部位をほぐすことができます。
激しい運動にならないように強度をコントロールしながら行い、痛みが増すほどの負荷にならないよう心がけましょう。
筋肉痛を早く治すためのケア・対処法

筋肉痛が来てしまったら、できるだけ早く回復したいもの。ここでは効果的なケア方法を紹介します。
筋肉痛は筋繊維の修復と炎症が伴って起こるため、回復を早めるには血流を促進して老廃物を流すことがカギになります。ストレッチやマッサージ、入浴など、日常生活で実践しやすいケアから始めるのがおすすめです。
普段の食生活や睡眠習慣も、筋肉痛の回復を大きく左右します。特にタンパク質やビタミンB群などの栄養素は筋繊維の修復を助けるため、意識して摂取しましょう。
ケアが大切と分かっていても、やり過ぎは禁物です。痛みが激しい場合は無理をせず、十分な休養を取ることで体の回復力を最大限に引き出すことができます。
ストレッチ・マッサージで血行促進
筋肉痛の部位を軽くストレッチやマッサージすることで血行を促し、老廃物の排出を助けます。ただし、強く押しすぎたり無理に伸ばすと逆効果になりかねないので、痛みが和らぐ程度に留めましょう。
運動の後や入浴後など、筋肉が温まった状態で行うとさらに効果的です。筋肉が柔軟になると、関節の動きもスムーズになりパフォーマンスの向上やケガの予防にも役立ちます。
ストレッチやマッサージは一時的に痛みを和らげるだけでなく、文庫本を読む合間など日常の中で習慣化しやすいケア方法と言えます。
入浴と温冷交代浴
入浴で体を温めると筋肉の血流が良くなり、リラックス効果も期待できます。筋肉痛の回復を助けるためにも、シャワーだけで済ませず積極的に湯船に浸かるようにしましょう。
温冷交代浴とは、温かいお湯と冷たい水に交互に浸かる方法です。血管が拡張と収縮を繰り返すため、血流の促進や疲労回復に効果があるとされています。ただし、体調によっては負担になる場合もあるので、初めは短時間から始めるのがおすすめです。
栄養バランスと十分な睡眠
筋肉の修復・合成にはタンパク質が欠かせません。また、ビタミンB1やBCAAなどの栄養素も疲労回復をサポートするとして注目を集めています。普段の食事からしっかり摂取するのはもちろん、必要に応じてサプリメントを活用してみましょう。
疲労回復には十分な睡眠が不可欠です。寝ている間に成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復を進めます。寝不足の状態では回復が追いつかず、結果として筋肉痛が長引く可能性があります。
食事と睡眠の質を上げることで、筋肉痛の軽減だけでなく、トレーニング全体の効率も高まります。日頃からの生活習慣の見直しが、筋肉痛対策の基本といえます。
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筋肉痛を予防するためのポイント

痛みが出にくいように、日頃から取り組める対策も知っておくと便利です。継続しやすい習慣を取り入れましょう。
筋肉痛を予防するためには、古くからさまざまな手法が研究されています。ウォーミングアップで筋肉を慣らすことや、正しいフォームで無理なくトレーニングすることなど、少しの工夫で痛みをかなり回避できます。
さらに、運動後のクールダウンを怠らずに行えば、疲労物質の排出を促し、筋肉痛の発生や長期化を軽減する効果も期待できます。定期的なケアが結果的には継続力につながり、健康的な身体づくりの近道となるでしょう。
サプリメントに関しても、プロテインやBCAAなど、筋肉の回復をサポートするアイテムは多彩です。一度に揃える必要はなく、自分のトレーニング状況や食生活を踏まえて選ぶことがポイントとなります。
ウォーミングアップの徹底
筋肉を温め、関節を動かしておくことで、ケガの防止や筋肉痛の軽減につながります。軽いジョギングや動的ストレッチで体をほぐしてから重量トレーニングに入ると、運動のパフォーマンスも高まります。
ウォーミングアップを丁寧に実施すると、心拍数が上がり筋肉に酸素が行き渡りやすくなるため、急激な負荷での怪我防止だけでなく、スムーズな動きが可能になります。
長く続けるからこそ基本を大切にするという意識を持ち、軽視しがちなウォーミングアップも徹底することが、筋肉痛予防のカギです。
運動後のクールダウン
トレーニング直後には、軽いジョギングやストレッチを行い、心拍数や血流を徐々に平常へ戻していきます。激しい運動の後に急に動きを止めると血流が滞り、疲労物質が筋肉に溜まる一因となるからです。
クールダウンで体を落ち着かせることで、体内の乳酸などの疲労物質の処理が促され、翌日の筋肉痛を和らげる効果が期待できます。
ウォーミングアップと同様に、このクールダウンも継続して行うことが大切です。忙しいときでも1〜2分でいいので簡単なストレッチをする習慣を身につけましょう。
正しいフォームと適切な負荷設定
トレーニング効果を高めるには、正しいフォームを意識して行うことが何より重要です。誤ったフォームで高い負荷を扱うと、正しく筋肉に刺激が入らない上にケガの原因にもなります。
例えばスクワット一つをとっても、足幅や背筋の伸ばし方など細部のポイントを押さえるかどうかで、効果と安全性に大きな差が生まれます。
大切なのは無理に重い重量を使うよりも、丁寧に動作を行うこと。適切な負荷と正しいフォームで行うトレーニングこそが、筋肉痛を予防しながら確実に筋力を伸ばす秘訣です。
筋肉痛を予防するサプリメント
プロテインは、筋繊維の修復に欠かせないタンパク質を補給する手段として定番です。特に食事だけで十分なタンパク質量を確保できない場合は、積極的に取り入れましょう。
BCAAやEAAといったアミノ酸系のサプリメントは、筋肉疲労の軽減や回復サポートが期待できるため、集中してトレーニングしている方にはおすすめです。
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まとめ:筋肉痛を正しく理解して効果的に筋トレを続けよう

筋肉痛は筋肉の成長過程における一つのサインとも言えますが、痛みがあるときの正しい対処を知っておくことはとても大切です。日々のケアや予防策を取り入れ、長期的に継続できる筋トレ習慣を目指しましょう。
筋肉痛の度合いや発生タイミングは個人差が大きいですが、それを上手に見極めて行動することが重要です。痛みがひどい場合には無理をせず、トレーニングの頻度や負荷を調整し、回復を優先するようにしてください。
ウォーミングアップやクールダウン、適切な栄養摂取や十分な睡眠を含めた総合的なケアを習慣化することで、筋肉痛を軽減しながら効率よく筋力を伸ばすことができます。筋肉痛を理解し、上手に付き合うことで、より楽しく充実した筋トレライフを送っていきましょう。
執筆:臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー 長谷川貴志
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