ホエイプロテインの種類とは?WPIとWPCの違いと効果は?

ホエイプロテインは、フィットネス愛好者やアスリートにとって欠かせないサプリメントです。中でもWPI(ホエイプロテインアイソレート)とWPC(ホエイプロテインコンセントレート)の2種類があります。WPIは不純物を取り除き、タンパク質含有量が高く、低脂肪・低炭水化物で、吸収が非常に速い特徴があります。
一方、WPCはより多くの栄養素を含み、風味やコストパフォーマンスに優れています。それぞれの特徴を理解し、自分のトレーニングや健康目標に適したホエイプロテインを選ぶことが重要です。
■ ホエイプロテインとは?

ホエイプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質の一種で、牛乳の液体部分である「乳清」から抽出されます。ホエイには、消化・吸収が早く、筋肉に素早くアミノ酸を届けるという特徴があり、トレーニング後の栄養補給に適しています。牛乳にはホエイとカゼインの2種類のタンパク質が含まれますが、ホエイは水溶性で体内への吸収が早く、運動直後などに効果的な栄養補給源となります。
◇ホエイプロテインの栄養成分とその役割
ホエイプロテインには、筋肉合成に必要不可欠なアミノ酸が豊富に含まれています。特に「BCAAs(分岐鎖アミノ酸)」と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンが豊富で、筋肉の回復と成長を促進する効果が期待できます。また、カルシウム、カリウム、ビタミンB群といった成分も含まれ、免疫力の向上や体全体の健康をサポートします。ホエイプロテインはこれらの成分により、筋肉の修復・成長に加え、免疫機能や代謝の向上など、全体的な健康維持にも役立つとされています。
ホエイプロテインは、運動やトレーニングを行う人々にとって重要な栄養源です。筋肉は日々の活動や負荷により損傷するため、タンパク質の補給が欠かせません。トレーニング後の「ゴールデンタイム」にホエイプロテインを摂取することで、効果的な栄養補給ができ、筋肉の成長と回復が促進されます。
■ WPIとWPCの違い
◇ WPI(ホエイプロテインアイソレート)
WPIは、ホエイプロテインアイソレートと呼ばれ、高純度なタンパク質を含んでいることが特徴です。製造過程で不純物が取り除かれ、タンパク質含有量が90%以上と高く、脂肪やラクトース(乳糖)の含有量が少ないため、消化・吸収が非常に速いという利点があります。
乳糖がほとんど含まれていないため、乳糖不耐症の方にも摂取しやすく、カロリーを抑えたいダイエット中の方にも適しています。
WPIが適しているケース
1.トレーニング後の速やかな栄養補給:WPIは高純度で、吸収が早いため、トレーニング後に即座に筋肉にタンパク質を届けることができます。
2.乳糖不耐症の方への配慮:乳糖をほとんど含まないため、乳糖不耐症の方でも摂取しやすいプロテインです。
3.ダイエット中の栄養補給:WPIは低脂肪・低炭水化物で、カロリーが低いため、ダイエットを目的とした栄養補給に適しています。
◇ WPC(ホエイプロテインコンセントレート)
WPCは、ホエイプロテインコンセントレートと呼ばれ、タンパク質含有量が70〜80%で、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。WPCは製造コストが比較的低く、風味が良いためコストパフォーマンスに優れており、日常的に栄養補給として利用するのに適しています。
若干の脂肪とラクトースが含まれているため、乳糖に敏感な方には適さない場合がありますが、バランスの取れた栄養補給が可能です。
WPCが適しているケース
1.日常的な栄養補給:WPCは栄養バランスが良く、毎日のタンパク質補給に適しています。
2.コストパフォーマンス重視:WPIよりも価格が安いため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。
3.風味を重視したい場合:WPCは自然な風味が保たれているため、味わいが良く、プロテイン摂取を継続しやすいです。
■ ホエイプロテインの歴史と背景
ホエイプロテインは古代から利用され、現代に至るまで進化してきました。ホエイプロテインは古代ギリシャやローマ時代から健康食品として利用され、近代では製造技術の進化により、より純度の高いプロテインとして普及しました。
例えば、古代ギリシャのオリンピック選手たちは、牛乳から得られるホエイをエネルギー源として摂取していました。20世紀後半には、プロテインの製造技術が進化し、濾過技術により高品質なホエイプロテインが生成されるようになりました。
ホエイプロテインの歴史を知ることで、現在の品質と技術の背景が理解できます。
■ カゼインプロテインとの違い

ホエイプロテインは吸収が速いのに対して、カゼインプロテインはゆっくりと消化吸収されるため、異なる場面で使い分けられます。ホエイプロテインは運動後の速やかな栄養補給に適している一方、カゼインプロテインは夜間の栄養補給や長時間の栄養補給に向いています。
カゼインプロテインは長時間アミノ酸を供給し続ける特性があるため、夜間の筋肉分解を防ぐ効果が期待でき、就寝前の栄養補給として用いられることが多いです。
ただし、カゼインプロテインには乳糖が多く含まれるため、乳糖不耐症の方には不向きな場合があります。逆に、夜間の筋肉維持を重視する場合には、カゼインプロテインが非常に効果的です。
■ ホエイプロテインの効果的な使い方

ホエイプロテインは筋肉増加や回復に効果的ですが、その効果を最大化するためには正しい使い方が重要です。この記事では、ホエイプロテインの効果的な使い方について詳しく解説します。ホエイプロテインの効果を最大限に引き出すためには、適切な摂取タイミングや量、さらには水分摂取の組み合わせが重要です。次のセクションでは、これらのポイントについて詳しく見ていきましょう。
◇ トレーニング後の「ゴールデンタイム」
トレーニング後30分以内にホエイプロテインを摂取することが、最も効果的だとされています。この時間帯は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉の修復と成長が最も活発になる時期です。トレーニング直後にホエイプロテインを摂取すると、速やかに筋肉にアミノ酸が届き、筋肉分解を防ぎながら筋肉の成長を促します。
◇ 1日に必要なホエイプロテインの量
1日に必要なホエイプロテインの量は個人の目的や体重によって異なります。筋肉を増強したい人とダイエット目的の人では必要なプロテイン量が違うからです。また、体重によっても適切な摂取量が変わるため、正確な量を知ることが大切です。
一般的に筋トレをしている成人男性は体重1kgあたり約1.2〜2.0gのホエイプロテインが推奨されています。例えば、体重70kgの人ならば84〜140gが目安です。このように、自分の体重と目標に合わせて適切な量を毎日摂取することが重要です。女性や高齢者、アスリートなど異なる層でも、それぞれのニーズに合わせた量を見極めて摂取することが鍵となります。
◇ 効果的な摂取方法
ホエイプロテインを効果的に摂取するためには、適切なタイミングと組み合わせが重要です。理由は、ホエイプロテインは吸収が速く、トレーニング後の筋肉修復に最適な栄養素を提供するからです。また、他の栄養素とのバランスも体全体の健康をサポートします。このことを理解することで、その効果を最大限に引き出すことができます。
例えば、トレーニング直後にバナナと一緒にホエイプロテインを摂取する方法があります。バナナは簡便に摂取できる炭水化物の一つであり、ホエイプロテインと組み合わせることで筋肉修復とエネルギー補給の両方を支援します。また、朝食としてスムージーにホエイプロテインを混ぜるのもおすすめです。これにより、一日の始まりに必要なエネルギーを効率よく補給できます。
◇ 水分補給の重要性
ホエイプロテインを摂取する際には、適切な水分摂取が不可欠です。水分が不足するとプロテインの消化吸収が滞り、栄養を効果的に摂取できなくなります。ホエイプロテインを水や牛乳で摂取することで、素早く消化され、体内に効率的に栄養が行き渡ります。
■ ホエイプロテインの選び方

ホエイプロテインを選ぶ際には、目的別に製品を選ぶと効果的です。また、成分や品質、フレーバー、価格なども考慮して、自分に合った製品を選ぶことが大切です。
◇ 目的別のプロテインの選び方
ホエイプロテインは、自分の目標に応じた製品を選ぶと効果が高まります。例えば、ダイエットを目指す場合は低脂肪・低カロリーなWPIが適しています。一方で筋力向上が目的であれば、吸収が速いWPCが理想的です。目的に応じて最適なプロテインを選ぶことで、より効果的な健康維持やトレーニングが可能になります。
◇ 成分と品質を見極める
ホエイプロテインを選ぶ際には、成分と品質をしっかりと見極めることが重要です。不純物や添加物が含まれているプロテインは、健康への影響が懸念されるだけでなく、効果が得られにくい可能性があります。品質の良いホエイプロテインを摂取することで、効果的に筋肉を増強し、体調を整えることができます
例えば、ホエイプロテインの成分表を確認し、人工甘味料や保存料が多く含まれていないものを選ぶことがポイントです。また、製造過程で低温処理され、不純物が少ないWPI (ホエイプロテイン・アイソレート) を選ぶことが一般的に良いとされています。
成分と品質を重視して選んだホエイプロテインは、長期的に見て健康やトレーニングの効果を最大限に引き出す助けとなります。
◇ フレーバーや溶けやすさ、価格とコストパフォーマンス
プロテイン選びにおいて、フレーバーや溶けやすさ、価格とコストパフォーマンスは重要な要素です。飲みやすさや無理なく続けられることが、プロテイン摂取を習慣化するための鍵だからです。不味いプロテインや溶けにくいものは続けるのが難しくなりがちです。
具体的なブランドでは、ギャスパリニュートリションやハイテックファーマシュティカルといったメーカーが人気で、これらはフレーバーや品質、価格バランスの優秀さに加えて、独自の製法など効果を追求した商品で知られています。プロテインを選ぶ際は、目的別にどの成分が必要かや溶けやすさ、コストパフォーマンスを総合的に検討しましょう。
■ ホエイプロテインの健康面への影響と注意点

ホエイプロテインは、筋肉量の増加や運動パフォーマンス向上に役立つ反面、摂取方法や体質に応じて注意が必要です。過剰摂取や乳糖不耐症の人への配慮も含め、健康面での影響を解説します。
◇ アレルギーや過剰摂取のリスク
ホエイプロテインは乳由来であるため、乳アレルギーの人は注意が必要です。また、過剰摂取は腎臓や肝臓に負担がかかる可能性があるため、適切な量を守ることが重要です。自分に合ったプロテインを選び、無理のない範囲で使用することが望まれます。
◇ ダイエットとホエイプロテイン
ホエイプロテインはダイエットにおいて非常に効果的なサプリメントです。ホエイプロテインは筋肉の維持と増強をサポートし、基礎代謝を高める効果があります。これにより、カロリー消費が増え、体脂肪が燃焼されやすくなります。また、ホエイプロテインは低カロリーでありながら満腹感を持続させることができるため、食欲を抑えやすくなります。
例えば、食事の一部をホエイプロテインシェイクに置き換えることで、摂取カロリーを減らしつつ、必要な栄養を確保することができます。プロテインシェイクはビタミンB群、カルシウム、食物繊維などの栄養素が豊富で、栄養バランスが良いです。また、トレーニング後のホエイプロテイン摂取で筋肉の回復を促し、脂肪の減少をサポートします。ホエイプロテインは速やかに体内に吸収されるため、トレーニング後のエネルギー補給としても理想的です。
■ ホエイプロテインFAQ
ホエイプロテインに関する疑問について、よくある質問を以下にまとめました。
◇ Q: お腹がゴロゴロするのはなぜ?
乳糖不耐症の人がホエイプロテインを摂取すると、乳糖を消化できずに消化不良を起こす場合があります。WPIなどの低乳糖製品を選ぶことで、この問題を解消することができます。
お腹を下してしまう人のオススメプロテイン
お腹を下してしまう人には、低ラクトースや植物性のプロテインを選ぶことがおすすめです。ラクトース不耐症や胃腸が敏感な人は、牛乳に含まれるラクトースが原因で消化不良を起こしやすいため、低ラクトースや植物性のプロテインが胃腸に優しいからです。
例えば、低ラクトースのWPI(ホエイプロテイン アイソレート)や、ソイプロテイン、エンドウ豆プロテインなどが該当します。これらのプロテインは消化がスムーズで、ガスや下痢などの消化不良を引き起こしにくいです。
◇ Q. ホエイプロテインの摂取で体重は増える?
ホエイプロテインの摂取で体重が増えるかどうかは、その摂取量に加えて総カロリー摂取量とトレーニングのバランスが重要です。
ホエイプロテインを取り入れる際、日常のカロリー管理が欠けていると、過剰に摂取されたカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります。特に、食事のバランスやカロリー摂取が適切でない場合には、プロテインを摂ることで逆に体脂肪が増える可能性があります。
一方で、適切なトレーニングと合わせてホエイプロテインを摂取すると、その効果は大いに異なります。トレーニング後にホエイプロテインを摂ることにより、筋肉の修復と成長が促進されます。これにより、筋肉量が増えることで体重が増えるというポジティブな結果も期待できます。
◇ Q. ホエイプロテインはいつ飲むのがベスト?
ホエイプロテインを飲むベストなタイミングは、トレーニング後30分以内です。この時間は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、筋肉が栄養を最も吸収しやすい時間だからです。また、身体がエネルギー補給を必要としているため、回復と成長を促進します。
例えば、筋トレ後すぐにホエイプロテインを摂取することで、筋肉の修復と成長が早まり、筋肉痛の緩和にも寄与します。同様に、激しい運動後のエネルギー補給としても有効です。トレーニング後30分以内にホエイプロテインを摂取することが、筋肉の成長と回復を最大限にサポートします。
トレーニング直後にBCAAを摂取し、その後の食事やプロテイン補給時にEAAを取り入れることで、筋肉の成長と修復を効率よく進めることができます。また、筋トレ前にBCAAを摂取すると、エネルギー供給がスムーズになり、持久力が向上します。
■ ホエイプロテインのまとめと総括
本記事では、ホエイプロテインの種類、特徴、メリット、使い方、選び方、健康への影響、副作用、注意点など多方面から詳しく解説しました。ホエイプロテインは、その高いタンパク質含有量と迅速な吸収特性により、筋トレやダイエット目的に最適なサプリメントです。また、WPIとWPCの違いについても理解を深めることができたと思います。
あなたの健康とフィットネス目標を達成するためには、自分に最適なホエイプロテインを選び、適切なタイミングでの摂取が重要です。ぜひこの記事を参考にして、自分に合ったホエイプロテインを見つけてみてください。筋トレやダイエットの成功のために、ホエイプロテインを積極的に活用しましょう。
執筆:臨床栄養協会認定サプリメントアドバイザー 長谷川貴志
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